会長 西田由紀子
「よこはま市民メセナ協会」はおかげさまで今年10周年を迎えることができました。
日頃より私どもの活動にあたたかいご理解ご支援を賜り厚くお礼を申し上げます。
当会は、行政の文化講座をきっかけとする研究会を経て、1998年よりボランティアによる市民提案型メセナ団体として文化支援活動に取り組み「文化芸術による街づくり」という未来に続く道を歩み続けてまいりました。
地域に根差した市民メセナの重要性を認識し「協会」を設立した1998年は、NPO法施行等もあり文化を軸にした市民活動に対して新たな視線がむけられた時期でもあり、私どもにとっても意味深い出発の年であったと思います。
これまで10年間に開催したシンポジウム、アートマネージメントセミナー、鑑賞事業、さらには全国各地のメセナ組織との交流等を通じ、人々の文化芸術溢れる地域創造へのマグマの高まりを強く実感しております。
私どもが活動を継続できました根底には「感動」や「ときめき」を贈ってくださる沢山のお支えがありました。ご体調を押して素晴らしいコンサートを実現してくださった小椋佳さんのあたたかく澄んだ歌声が公会堂を包み込み、会場が一つになった春の一日は今でも忘れられません。よいものを発信し続けたいとの会員の熱い思いは、互いの絆を深め、資金や場、予期せぬ変更などさまざまな困難や壁も何とかのりこえてまいりました。
思いは形となり、「横浜の文化を元気にするために！市民のみなさんと行政が思いっきり語り合うシンポジウム」（1999年）、「横浜市民アートマネージメント博覧会・市民の皆さんが自ら担い手となってプロデュースしていく街・横浜」（2004年）、さらには文化芸術団体調査「市と市民が協働して開発・研究するわが街横浜のニーズ」（2007年）など企業や行政のみなさまと分野や立場をこえて数々の共創の実現をみています。
今、市民メセナ活動は着実に人々の間に、そして全国へと浸透し、企業や行政との協働のもと多彩な活動が市民の手によって展開されるようになってまいりました。
私どもは10年をむかえて次なるスタートラインにたち、地域文化芸術のさらなる発展にむけて楽しく力強く「市民メセナ」の明日に挑んでいきたいと存じます。
講座やシンポジウム、調査研究、舞台事業や文化交流にご参加くださったみなさま、アーティストや企業・行政、全国のメセナ団体など多くのみなさまのご協力やお支えをもってこの日を迎えることができましたことに一同感謝でいっぱいでございます。
あらためて、これまで活動を支えご協力くださいました多くの皆様、関係諸団体の皆様に心よりお礼申し上げます。今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
（10周年に感謝をこめて）